太陽と仲良くなれる季節には 〜果実味あふれる南のワインたち〜

  • 2011.08.15 Monday
  • 11:32
JUGEMテーマ:ワイン

太陽と仲良くなれる季節には
〜果実味あふれる南のワインたち〜

[生活情報誌 FAMILLE 2007 掲載]

 太陽が元気になる季節、陽焼けが気になってもならなくても、ヴァカンスへ出掛けよう。サングラスと読みかけの単行本と、シェスタ(昼寝)にかかせないワインを連れて…。時計をはずし、携帯電話をオフにして、陽射しが高いうちから飲むワインは、忙しい日々に疲れぎみの心身への最高のプレゼントだ。思いきり太陽と仲良くしたいから、ワイン選びのキーワードは“南”にしよう。

 たとえば、乾いた喉が欲しがる発泡性ワイン。パリの北、シャンパーニュ地方で作られる“シャンパーニュ(シャンパン)”は、アッパーのリゾートには似合っても、味わいも値段もカジュアルとはいえない。気軽なスタイルにこだわればむしろ、南仏ローヌ地方の“クレレット・ド・ディー”のようなタイプ。キリリと冷やせば、フルーティでほんのりと甘くて、でも、キレがよくて爽やかで…。とはいえ、手に入れにくいから困りものだ。

 そこで、カリフォルニアのスパークリング・ワイン! 入手しやすいし、ナパやカルネロスの村にはマムやモエ・エ・シャンドン、テタンジェなど、本場シャンパーニュの優秀な生産者が進出して、カリフォルニアの大らかな味わいとフランスの丹精な作りを同時に楽しめる。中でも、“ブラン・ド・ノワール”と呼ばれるロゼのスパークリングワインはオレンジピールやコーラのフレーバーから夏のニュアンスを味わえるうえ、かすかな苦みが熱っぽい舌をさっぱりと整えてくれる。

 ついでながら、太陽に奪われた水分を補いたい気分になったら、カリフォルニアやオーストラリアのシャルドネ種の白ワイン。手頃なクラスをサイダーで割って、すいすいとやる。糖分のないソーダもよいけれど、加糖したサイダーのほうが南のシャルドネの、パイナップルやバナナの香りをより引き出してくれる。できればクラッシュドアイスをたっぷりと入れて、冷え冷え感を楽しみたい。喉ごしがよいので、飲みすぎにくれぐれも注意。

 リヴィエラ、ニース、サン・トロペ…。避暑地で知られる南仏プロヴァンスの気楽なロゼもヴァカンス向けである。ロゼは甘口と思われがちだけれど、この地域のロゼはほとんどが辛口。しかも、ハーブを思わせる香りと爽やかな酸味が夏にもってこいだ。トマトや魚介との相性がよいので、ランチにはトマトペーストをたっぷり使ったシーフード・ピッツァを調達しよう。プロヴァンスのワインボトルはいかり肩のボルドー型にまじって、ボーリングのピン型もある。ピン型のデミ(ハーフ)はラッパ飲みが絵になるし、グラス要らずだから嬉しい。運よく見つけたら、買い占めておきたい。

 赤ワインが大好きな彼女たちに、今年は、プロヴァンスの西域に広がるラングドック地方のそれらをリコメンド推薦しよう。少し前まではフランス国内のテーブルワインの位置づけに甘んじていたが、地元の生産者の努力によって、実力も評価も急上昇。“コルビエール”“ミネルヴォア”“フィトウ”などなど、様々な村から、パワフルにしてチャーミングな赤ワインがどんどん輸入されている。ジャムっぽい果実味とスパイシーな香り、わかりやすいタンニン…。少し冷やすと快適な赤だから、屋外で楽しめる。なお、“ヴァン・ド・ペイ・オック”と表示される地区名ワインなら、スーパーマーケットでも買える。

 ワインを上手に選べたら、天気のよい日を選んで、キャミソールドレスに着替えて素足にミュールをひっかけて…。かりに自宅の庭やテラスだって、そこはリゾート。南のワインたちが味方なら、いつでもどこでもヴァカンスは、彼女たちのものになる。

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