歌ごころ vol.10 バリに追いかけて

  • 2020.04.08 Wednesday
  • 10:44

JUGEMテーマ:70年代・80年代

 

バリに追いかけて

 

歌 芦部 真梨子(村本玲奈)

曲 小林幸司

詞 深田尚美(悠木そのま)

 

2番ゲートのタラップから あいつ

誰かと 甘いバカンス

バリへうわさを追えば

 

レゴン・ダンスのかがり火が揺れて

風になじみのトワレ

ほほをかすめ 振り返る

 

ばかにしないで

ハネムーン気取りで

仕事なんて しらじらしいわ

 

バリにおいかけて ロンリー・ウィングス

私 あとには引けないわ

バリにおいかけて ロンリー・ウィングス

ジェラシー ジェラシー ジェラシー

アイランド

 

 

デンパサルから夜間飛行ね

悪い夢を見ただけ

あしたは いつもの都会

 

ホテルのロビーに あなたがくれた

銀のブレス 置きみやげ

きっと あわててる頃ね

 

からかわないで 待たせてばかりで

いつまでゲームを 続けるつもり

 

バリにおいかけて ロンリー・ウェイブス

私 ふられてあげるわ

バリにおいかけて ロンリー・ウェイブス

ジェラシー ジェラシー ジェラシー

アイランド

 

リマスター版「ストリート・スキャンダル」収録

2019月11月22日 タワーレコード

 

 

【MEMORY】

 

80年代のはじめ頃、師に刺激されて、著作の世界をめざし、作詞もしていました。当時のペンネームは「深田尚美」。ドイツ文学者深田甫先生の弟子として、深田ファミリー所縁のペンネームをつけたかったのです。

 

「バリに追いかけて」の歌詞、こんなの今では書けない(笑) あの頃は、先生の情熱が転移していたとしか、思えない。どちらかといえば少女漫画チックな作風で、演歌を書いてもどろどろになれなかったのに…

 

大切な先生はこの春、天に召されました。私が知ったのは、4月1日のエイプリルフール。嘘ならいいのにと心から願い、お嬢さまにメッセージしたら、ほんとうでした。FBへ投稿した哀悼の意をこちらのブログにも転記します。

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卯月の訃報:永遠の逢瀬。魂を育ててくれた師が、心不全で亡くなりました。3月26日の夜、お子さま、お孫さまに看取られ、静かに旅立たれたそうです。幻想文学の奇才ホフマンを22年かけて翻訳し、全集を残した哲人であり、フジTVの「夕(ゆう)ニャン先生」として知られた時もありました。

 

18歳の春、同級生から「ドイツ文学研究会」に入らないかと誘われて、顧問だった師と出逢いました。研究会が解散した後も、鎌倉のご自宅をしばしば訪ね、温和な口元からほとばしる激しい言葉のしぶきを浴びました。分かることもありましたが、分からないことのほうが多く、それでも、熱いしぶきは滝のように私を打ち、魂を目覚めさせました。

 

20年と少し無沙汰をし、数年前のバレンタインデーの季節に再会したら、師は仙人のように枯れつつも、情熱の埋火をますますたぎらせていました。「奥さま」に先立たれた老師と恋に落ちるのも悪くないという妄想がよぎり、智恵の泉からほとばしるしぶきを口述でしたためたいと思いました。それなりに、構想も温めはじめました。

 

にもかかわらず、師の肉体のはかなさと私自身の肉体のほころびに思いいたれず、構想は夢の途中になりました。

 

師が亡くなった翌々日、恵那の田舎家に泊まっていた私は、三和土の硝子戸をかすめる影を見ました。その時には、家守の霊と思いましたが、師の旅立ちを知った今は、私に別れを告げにきてくださったにちがいない、そうであって欲しいと願っています。

 

師の訃報をまだ、受けとめきれていない私がいます。

 

肉体が仮の宿だとすれば、そして、魂の世界に時空間がないとすれば、師の逝去によって、私は師といつでも逢えるようになりました。今生でも彼岸でも来世でも、師と永遠の逢瀬を慈しめることを熱望します。合掌。

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