和食とワインが出逢う夜には 〜料理との相性の見つけ方〜

  • 2012.01.10 Tuesday
  • 15:57
JUGEMテーマ:ワイン

和食とワインが出逢う夜には

〜料理との相性の見つけ方〜

[東海総研マネジメント 1999年1月号掲載]

 くつろげる男(ひと)から馴染みの割烹(みせ)に誘われたら、ワインのボトルを抱えていく。年末から新年の慌ただしい宴席の間(はざま)に、冬の旬を味わいながら、さしつさされつ…。和食には日本酒と決めないで、大人のカップルが冷や酒のかわりにコップでワイン、という風景には温もりがある。
 そんな夜には、ぐいぐいやれる水のような白ワインが欲しい。魚介類が美味しくなるような、酸味がきりりと爽やかで、そこに塩味やミネラルのニュアンスがあればもっとよい。たとえば、仏ロワール地方のミュスカデ・シュール・リー製法のものや、伊のソアーヴェ。

 ついでながら、カキにはシャブリが定番とされるが、カキとシャブリを合せるなら、酢っぱくて爽やかな手頃なものを選びたい。高級な畑(クリュ)ものでは、華やかな香りとコクがカキの味を殺してしまうから。むしろ、お薦めはミュスカデ。カキのヨード臭と馴染んでくれる。
 
 和洋を問わず、ワインとお料理を合わせるコツはふたつ。味わいが拮抗して引き立て合うものを合せるか、よく似たものを合せるか、である。「肉には赤ワイン、魚には白ワイン」と言われるが、例外も多い。たとえば、マグロやカツオのような赤みのお造り、鰻の蒲焼き、たれの焼鳥には渋くない赤が欲しいし、鶏や豚などの白いお肉料理にはクリーミーな白、霜降りのしゃぶしゃぶにゴマだれならばコクのある白が抜群だ。
 
 ところで、第8回世界最優秀ソムリエの田崎真也さん曰く「コクは曲者」。コクのある白はコクが高まれば値段も高まる。「中くらいにコクがあるものを、と注文しましょう」とか。田崎さん流の料理とワインを合せるコツは、「ワインの色と料理の色を合せること」。したがって、白っぽいお料理が多い和食には、白ワインの出番が多くなる。

 とは言え、和食に白という先入観は禁物。ザ・リッツ・カールトン大阪のソムリエ宮武隆さんは、筑前煮に仏ブルゴーニュ地方の赤の代名詞ジュヴレ・シャベルタンを薦める。ジュヴレ・シャンベルタンの土っぽさ、湿っぽさが根菜類に合うという。思うに、筑前煮は赤い料理である。
 
 和食の席を一種類のワインで通すならば、と宮武さんに尋ねたら、お薦めはブルゴーニュ地方シャサーニュ・モンラッシェ村の白。ワインが冷え冷えのうちは酸味がたってお造りや焼き物に、やがて温度が上がってふくらみがでたら煮物、揚物によく合ってくるとのこと。

 このシャサーニュ・モンラッシェの一級畑モルジェ‘91(D・ガニャール社)をカラスミと合せてみた。長崎からの届きたてをさっとあぶって、スダチを香りだけ振って…。絶妙な取合わせだった。生臭いイメージからは想像しにくいが、塩辛も温めてバターを加えればワインに合う、と田崎さんは語っている。
 こうした意外な相性(マリアージュ)を見つけるには、遊び心がとても大切。作為と偶然がもたらすワインと料理の相性が、素晴らしい味の世界を創るとき、私たちはワインを愛する悦びを知る。

<今月のワインリスト>

 ワインと和食を合せるには、料理のボリューム感をつかみ、そのレベルに合せてワインのタイプを選ぶのがコツ、と宮武ソムリエ。生の食材にはシャープな酸味、お寿司のような料理は大きくて鈍角な酸味、出汁を使う料理は深みとコクに合せて香ばしい風味のワインを、とも。

 シャープな酸味といえば仏ロワール地方のミュスカデ。香りが少なく料理の邪魔にならないし、シュール・リー製法によるものは、アミノ酸の旨みがあるので、和食に合わせやすい。

 一方、大きくて鈍角な酸味といえば、独ラインガウ地方のリースリング。リースリングは甘くて苦手という声も多いが、寿司のシャリや天婦羅の甘みとはよく馴染む。ロバート・ヴァイル社のリースリングは、甘やかな香りとマイルドな酸味がチャーミングな味わい。お酒を飲み慣れない女性からワイン通まで、評価の幅は広い。同社のラインナップの中で、“カルタ”ならば男性にも納得のいく辛口。香りは甘いけれども、きりりとした爽やかな酸味を楽しみたい。

‘96バユオー社 ミュスカデ・ド・セーブル・エ・メーヌ シュール・リー“マスター・ドナシャン”¥1,940
‘96ロバート・ヴァイル社 リースリング“カルタ” ¥1,940
 *ワインの価格は1999年当時のものです。
取材協力:丸栄百貨店/サントリー株式会社

FAR AWAY 〜シャツからはじまるストーリー〜 JASRAC復興支援 こころ音プロジェクト参加予定作品(0版)

  • 2012.01.02 Monday
  • 13:48
JUGEMテーマ:世界平和

<JASRAC復興支援「こころ音プロジェクト」参加予定作品 (0版)>
FAR AWAY 〜シャツからはじまるストーリー〜
                                                                           
曲 石川まさのぶ
詞 悠木そのま                    
Photo by Masanob Ishikawa

[2011年/新作] 

朝がつばさを広げて 窓の雪をとかす
おれんじ色の光をあびて 鳥たちは目を覚ます
                     
君を泣かせたとばりは いつか遠ざかるよ
涙のあとはそのままでいい そっと抱きしめるから

愛が消え去って 哀しくて 運命が悔しくて
誰もこころが砕けては うつむいたりするけれど

FAR AWAY 遠い空 見上げれば 雲が流れていく
FAR AWAY 明日をどうぞ 信じていて 新しいシャツを着て


夜が静けさをつれて 窓に灯り ともす
涙のように 星はまたたき 祈りをささげている

君が泣きたいときには いつも側にいるよ
笑顔はすこしお休みでいい きっと支えてくから

あの日 思えば 苦しくて 人生が切なくて
誰もこころを閉ざしては 叫んだりもするけれど

FAR AWAY 同じ夢 見つめれば 歩いていけるだろう
FAR AWAY つないだ手と手 放さないで シャツからはじまるストーリー

FAR AWAY 遠い空 見上げれば 雲が流れていく
FAR AWAY 明日をどうぞ 信じていて 新しいシャツを着て

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