段取り脳をつくる習慣 Vol.5 決めないと進まない、決めないと終わらない…。だから、決めちゃいましょう! 〜12月17日 中部経済新聞「ナビゲーター」に掲載されました〜
- 2012.12.30 Sunday
- 14:11
段取り脳をつくる習慣 Vol.5
決断すれば前へ進む 脳の負担減らし効率高める
[中部経済新聞 2012 12月17日 「ナビゲーター」掲載]
何かを決めることは、何かを選ぶことであり、
選ばなかったあれこれを捨てることです。
たとえば、ある会社へ入社するということは、
その会社を選び、それ以外のすべての会社を捨てることです。
結婚とは、ひとりの異性を選び、他の異性をあきらめることです。
ある車を買えば、お金持ちかマニアでないかぎり、
ほかの車を手に入れることはありません。
決めるということは、じつは捨てることなのです。
捨てるときには、捨てることへの痛みや
捨てたものへの心残りをともないますから
多くの人は決めることが苦手です。
一方で、私たちの日常は決めなければ
始まらない、進まない、終わらないことの連続です。
レストランでメニューを決めなければ、料理は提供されません。
商品を決めなければ、レジへは進めません。
出欠を決めて、メールや返信はがきを返さなければ
相手への回答は終わりません。
「決めること」は、日常をスムースに営むための段取りといえます。
決めれば進む、決めれば終わります。
職場では上司が決めなれば、部下は動けないし
お客様が決めなければ、商談は前へ進みません。
誰にでも、自分や誰かが決めなかったために、
仕事や生活の流れが滞った経験があるのではないでしょうか。
それでも、決められないのは
捨てることにともなう痛みや心残りなどのストレスを避けたいからです。
けれども、決めないことにもストレスがともないます。
決断までの間、落ち着かなかったり、いらいらしたり、不安になったり
決めることを催促されて、焦ったり腹立たしかったり…。
そんなことは感じないという人もいるでしょうが、
本人が感じていない、気づいていないだけで、脳には負荷がかかっています。
たとえば、同窓会の出欠を決めなかったら、
そのことが心にかかっていて、ときどき思い出されてきます。
そして、どうしようかなと考えたりして、決めきるまで
脳の記憶領域や思考回路は使われています。
決めないことを不快に感じない、気づいていない人でも
脳には負荷がかかっているのです。
脳は楽ちんで楽しいことが大好きですから
決めるべきことは早く決めて、脳の容量や回路を軽くしてあげましょう。
データの蓄積が減り、思考回路がオープンになれば
脳は身軽になって、よく動くようになります。
脳がよく動けば、仕事の効率があがります。
同じ仕事ならば、もっと早くこなせる、同じ時間ならば
もっとよい質の高い仕事ができるようになるのです。
そこで、脳の容量や回路を解放するために、
決めかねているなと感じたら
「決めれば終わる」「決めれば進む」とつぶやいて
思いきって決めてしまいましょう。
決めることで、仕事が進んだり
新しい局面にシフトしたりする爽快感を味わえます。
これが脳をより楽しくさせますから、脳はさらによく動くようになるでしょう。